インバネス

日本では明治期に入り「トンビ」「二重まわし」と呼ばれた、
取り外しのできる長めのケープ※が付いた、男性用オーバーコートのこと。
内側は身頃だけで丈が長く、外側は全体をおおう形の、
丈の短いもので構成されたようなシルエットをしています。

インバネスは、スコットランド北西部にあるインバネス港に
ちなんだ語源で、明治20年(1887年)前後、和服用の外套として
考案されたころに流行し、その形状から「トンビ」の俗称が生まれました。
映画監督・伊丹十三氏が言った言葉に「着物にインヴァネスてのは、
ライスカレーと福神漬け、と同じように和洋折衷大成功の1例である」という
ものが残っています。

※肩からゆったりと下がる袖なしの外套。
円形裁断や直線断ちなどがあり、普通、前中央開き、丈や素材、
デザインの変化は多様で、固有の名前もある。
発生は非常に古く紀元前にさかのぼる

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