モーニングコート

昼間の正装として着用される礼装、フォーマルスーツ。 本来はフロックコートが第一礼装であったが、それに代わって普及している。前裾が大きくカットされ(カッタウエー)、後身のテールはヒザ丈、スリークォーターレングスの丈、2つ釦のついたセンターベント、シングルブレステッド1つボタン、衿はピークドラペル、胸にウエルトポケットウエストシーム(ウエストの継ぎ目)を特徴とする。
このフロックコートの前裾をカッタウェイしたシルエットから、イギリスではカッタウェイコート、アメリカではカッタウェイと呼ばれています。

トラウザースは黒灰の縞ズボン(コールパンツ)にする。ベストは普通、黒の礼服地で作られ、結婚式の場合、花婿がグレーフランネルのものを使うこともある。
生地は黒のドスキンカシミヤられることが多かったが、現在では毛羽立ちが少ないもしくはないタキシードクロスで仕立てられることが多い。
日本では、ブラックスーツ同様、黒生地で仕立てられたフォーマルスーツを礼服の万能着と解釈して、昼間に引き続き夜間も着用することがあるが、夜間の正礼装は燕尾服(イブニングコート)となるため、慎まなければならない。なお、イギリスではアスコット競馬場での正装としてグレー地のスリーピーススタイルに仕上げてグレートップハットをかぶることがある。

※ウエルト・ポケット
ウエルトは<縁飾り>の意で、ポケット口に飾りの口布のついたスリット・ポケットのこと。一般に箱ポケットといわれる。