アングルド・ボトムの俗称で、モーニングコートのトラウザーズがこの裾仕立てとなっていることからモーニングカットと呼ばれています。アングルドは「角度を付ける」、ボトムは「裾」で、パンツの前裾を1.5cm程度上げたシルエットになります。 店長的には「アングルド・ボトム」のほうが、かっこ良さげなのですが、「モーニングカット」といったほうが、日本人的にはなじみやすいのかも知れません。 このモーニングカットは、モーニングコート専用という訳ではなく、もちろんビジネススーツのデザインとしてもお選びいただけます。裾広がりなブーツカットパンツ、パンタロン、ベルボトムなどのエレガントなシルエットのパンツには欠かせません。
シングルの裾仕立てのパンツの前裾(前側の裾)を、1.5~2cm削ることによって、前裾のたるみが減り、前折り目(クリース)が真っ直ぐきれいに出るようになります。 パンツを着用した状態では、かかとのある後ろ裾は真っ直ぐ落ちますが、前裾では靴甲で、ブレイクと呼ばれるたるみができます。このたるみが多いとパンツの前折り目(クリース)が曲がってきれいでないため、このアングルド・ボトムのディテールがあります。靴甲の傾斜に沿って角度を付け、ブレイクの量を調整するといった考え方です。 パンツの裾を折り返すダブルまでは知っていても、「裾斜め」なシルエットとなるモーニングカットは、なかなかファッション上級者でないとご存じないデザインかも知れません。 パンツを長めにはく裾広がりなブーツカットパンツでもブレイクが多くなりすぎないように、このモーニングカットは多く用いられますし、また、人気の細身パンツでは一般に股下寸法を短めにはくため、余計に靴甲でのたるみは見た目が良くないので、裾モーニングカットは理想的。 アングルド・ボトムは、シングルのみ対応のディテールで、ダブルではお受けしていません。 昔からそのように教わっていたのですが、近頃読んだ雑誌で、イタリアの高度な技術を持つアルティジャーノ(仕立て職人)は、ダブルでもアングルドボトムにしてしまうとか・・。 当店でもやればできるとは思います。。
パンツ・脇ポケット斜め
パンツ裾・ダブル
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