ベスト・シングル5釦5掛
シングル5釦5掛ベスト
ビジネス標準のベスト
ベストのフロントデザインではもっともオーソドックスなのがシングルの5釦5掛のベスト。ベストの前部分釦が5個付いています。
オーダースーツ屋さんでも特に指定しなければ、この形で出来てくるという標準のデザインです。
あまり、個性的でないといわれてしまいそうですが、高すぎず低すぎない釦位置からネクタイやシャツが見えるブイゾーンは適度に開いていて、着ていて楽。シングル2釦スーツとの相性も良さそうです。
ベストのメリットは、シックにカチッと着こなすのに役立つファッション的なアイテムであることはもちろん、できるだけ暖房に頼らないエコなウォームビズにも欠かせません。
また、袖なし胴衣(中衣)という形の特徴から、室内で作業する時には、動きやすくしかも暖かい。上下スーツと共生地で仕立てられているので、ニットベストとはかっこ良さが違います。
英国調正統派3揃い
英国紳士の間で普段着的に着用されていたラウンジスーツがビジネスも用いられるようになったのがスーツ(背広)のはじまり。
そのラウンジスーツにもベストが付いていたり、フォーマルの正礼装もベスト付きであることが多いため、スリーピーススーツは正統派で格調が高く、特にブリティッシュスーツとは相性が良いアイテム。
普通の上下スーツにベストをたした追加したアイテム構成ですが、カチッとした着こなしのお好きな方には、おススメです。
ベストはアメリカでの呼び名、日本ではチョッキと言われることもありますが、英国ではウエストコート、なんとなくグッと重みが加わります。
ダブルスーツにベストを加えたスリーピーススーツの構成は、あまり多くありませんが、釦位置が低、胸開き(ブイゾーン)が広めなダブル4釦1掛や6釦1掛(ボタンワンダブル)との組み合わせは試してみたいところ。
また、ベストの効用として、胸が薄くスーツ着用時の見映えがもう少しという方とっては、中着としてのベストは、そんな不安を解消してくれる便利なアイテム。
ご婦人にはベストスーツ
ご婦人向きテーラードには、共生地でつくったベストとパンツ(もしくはスカート)スーツという組み合わせ。ジャケットなしのべステッド・スーツというコーディネートもひとつのファッションスタイル。
よりカジュアル感を増したスタイルとして、ジレパンというファッション用語も聞くようになりました(ジレはフランス語でベストのこと)。
ベストにもフロント釦数などにいくつかのバリエーションがあるほか、胸ポケットなし(標準)をハコポケット、フタ付きポケットとしたり、腰ポケットハコ(標準)もフタ付き・フタなしに変更する、釦の種類を指定をしてアクセント付けとするなど。既定のオプションにはありませんが、アウトポケットとするという方法がないこともありません。
また、前裾の衣が剣になっているところを水平にしたり、背部分のポリエステルやキュプラ裏地を色柄指定、前身と同じ共生地ベストにしたりと、お好み次第です。