Cu|ブリティッシュ・サマーツイード

ダブル4釦1掛け(ロングターン)スーツ

ダブル4釦1掛
ジャケットの前釦が左右に2個づつ合計4個ついていて、下の釦1個だけで止める形のダブルスーツです。このダブルの形は、ダブルスーツが好んで着られたバブル期にソフトスーツのデザインとして多く作られた形で、当時景気の良さそうなお兄さんたちが、パステル調のパープルやサーモンピンク、明るめなブルー系やグリーンなど鮮やかな色合い
のスーツを、実際寸法よりも肩幅プラス5cm程度のダブつくオーバーサイズで、ほんとによくご注文いただきました。
今考えれば肩幅が大きすぎてジャケットの肩先が落ちてしまうほどだったんですが、当時はそれがよかったんですよね・・。肩パッドなども厚めのものが入るいわゆるボールドルック。1個掛けで釦位置が低く、Vゾーンが広めなロングターンは、若干のルーズな雰囲気とともに、大胆で元気の良い悪ガキイメージのジャケットシルエット
店長もずいぶんこのオーバーサイズのソフトスーツを作ったのですが、タンスの中をのぞいてみるとそのソフトスーツの着数がずいぶん多くて、時代のせいか使われている生地は舶来の高級素材ばかり。
今は肩幅はナロー(狭い)で全体的なシルエットはタイト傾向にあるため、この頃のソフトスーツとはまったくシルエットが異なりますし、また寸法調整したくても差寸が大きすぎてできないことはないと思うのですが、直し代がかかりすぎて考えてしまうところです。

小柄な体型の方におススメなダブルスーツ

ダブル4個釦も6個釦も、ファッション的なデザインのひとつとしてお選びいただくのが一番だと思うのですが、小柄な方が、縦に3個づつあるダブル6釦をご着用になると縦の釦間隔が狭くなる傾向にあることから、この4釦1掛のフロントデザインならバランスよく前釦の感覚も自然でしっくりきます。
サイズ的には、バブル期のソフトスーツのようなたっぷりめのゆとり量で仕立てることはほとんどないのですが、オーバーサイズに作ると体格を大きく、立派に見せるという効果があるため、当時仕立てた大きめサイズのスーツから引き続き同様なスタイルでお仕立ていただくこともたまにあります。
ファッションは着ている人が良ければそれで良く、こだわりもその方のこだわりなので、セオリーとちょっとだけ自分の好みの入ったアドバイスはさせていただくのですが、最終的にお決めになるのはやはりお客様ご本人です。
トレンドはやはりタイト傾向で、太めな方がゆったりめに着るイメージなダブルスーツも、肩幅も狭く、胴回りも絞る感じ。ネクタイは、肩幅に合わせて細くなることが多いのですが、シャツの衿巾と共にあまり変わりはないようです。

ダブル6釦2掛スーツのスプレッドアウトが人気ですが・・

ネットからいただくオーダーの割合から見て、シングルスーツ・ダブルスーツのシェアはダブルのスーツは多くても10%程度。最近ではフォーマルスーツも格調高くダブルスーツというより、着心地が楽なシングルスーツで・・という方も増えてきているため余計です。
比較的控えめなダブルースーツの人気なのですが、その中でも高い注目度なのが、ダブル6釦2掛スーツの形です。これもやはりシングル3釦の影響だと思うのですが、ダブルでもVゾーンの狭い6釦2掛が好まれているというところでしょうか。
それならダブル4釦は・・ということになってしまうのですが、ダブルというのは深く重ねた打ち合い(上着の左右前端)のことをいうため、戦後の裁断・補正の仕立て屋的教科書などには両前背広などとかいてあるものがダブルです。
打ち合いの差はあるのですが、シングルスーツもダブルスーツも釦位置を高く・低くという調整はオーダースーツならそれほど難しいことではないため、ダブル4釦の釦位置を6釦ほどのVゾーンとなるように調整ということももちろん対応させていただけます。
ダブルスーツの中にも、左右の前身の重なる量を少なくしたレス・オーバーラップ・DB(ダブル・ブレスト)というかっこ良さそうなデザイン、タイトルとなっている「スプレッド・アウト」はダブルスーツの並列的な前釦の一番上の2個釦の間隔のみ広くなっているもののほか、「オールインライン」といわれる前釦間隔を等配列とした別名「リージェンシー・ダブルブレステッド」など、衿型もシングル標準ならノッチ衿、ダブルならピーク衿といった枠を超えてするカスタムメイドもオーダースーツならではです。

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